2013-11-13

たまには、当ブログらしいことを……。

拙ブログらしいこと
……と、自分で書いてても良く分かっていませんが、たぶん、他じゃあんまり取り上げないこととか、他の狂言方だったら(当たり前すぎて)スルーするかもしれないってこととか、法人の所有するお道具だからこそ。って視点でしょうか……。

今回は、「面(おもて)の構造」です。面の裏っかわって皆さん、見たことないでしょ?普通一般の人ならば。というわけで、どーん!!

はい。これは、祖父の玄三郎作の狐の面の裏側です。
切り顎と言いまして、下顎が可動式であることは、以前書きましたっけ?
祖父の作は、金具で接続されています。この金具も恐らくは祖父自身の手によるものと思います。
少しサビが浮いていたので、師匠がサビを落として、ラッカーかな?を塗ったので、黒くなっています。

また、面紐はメインの紐を通す孔(上部)とサブの紐を通す孔(顎に近い方)と左右上下で、合計4つ開いています。
ちなみに、裏側の鑿の痕跡で作者が分かったりもします。(他にも、焼き印を押してあったり、名が彫り込んであったりします。)


左上のくぼんだところが、目になります。あの孔から外を見るわけですね。



こちらは、古い型の狐の面です。顎関節(?)の構造が違うのが判りますでしょうか?
ちゃんと、舌があるのも分かりますよね(笑)
あと、やはり強度が弱いのか、破損したところを修理した痕跡を看取できます。(左顎も修理してありました。)

【追記】
両側の修復跡……ではなくて、もしかしたら、製作上内頬の部分は後から被せるのかも知れませんね。
上顎部分が二重に(凹の形)なっていて、その間に下顎の凸の部分が入り込んでいます。
構造的に壊れやすいだろうなぁ……というのは、想像に難くないです。











顎を表側から見ると、こういうビス?で関節が留められていることが判ります。

こちらの古い方は、実用には適さないという判断にて、今は舞台上では使われていません。修復もこれ以上は行われず、色も白いままです。
現在は、僕の稽古に用いていますが、決して悪い面ではないと思います。


はい。ま、そんなんでね。今日は狐の面の顎のお話でした。
第5回「狂言を楽しむ 徳讃会」善竹玄三郎三回忌追善会まで、あと11日です。

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