さて!5月20日の
第14回「狂言を楽しむ 徳讃会」は、お陰様で盛会の内に無事に終了しました!!お運びいただきました皆さまには、誠に有り難く御礼申し上げます。
いやー。初めは涼しい感じで。
冷房も入れず、順調に快適に進んでいたのですが、やはり2曲目の「酢薑」が済んだ辺りから暑くなり始めまして。
舞台側の冷房を入れたのは良かったのですが、頭の方は暑く、足下は冷えて!?という状態だったようで、実は……「空腕」の間で右の足底筋がモーレツに攣りました(爆)
ちょうど、太郎冠者が主宅へ戻ってきて、自分の「(空)腕立て」を語り始めた辺りだったでしょうか……。
その後、腕自慢の語りも「
さわり」に入りまして、大きに盛り上げ、
「側なる大木を木盾に取って……」
あたりでは、ちょうど片膝を着きますのでね、その間に足底筋のストレッチを試みた
(えー。筋が収縮してるのを放置するより、逆に伸ばす方がダメージは少ない)のですが、イマイチ回復せず(;^_^A
「斬って、斬って(ドン!と右足拍子)斬りなやいて御座るが……」
で、足拍子を踏んだタイミングでは内心(ぐぬぬぬぬぬぅ……(T_T) )となっていたのであります……が、お楽しみ頂けましたでしょうか!?
(大汗)
さてさて。
少し、補完的解説を少ししておきましょう。
重喜の科白、
「よう、揉めましたか?」
というのは、確証はないですが、例えば髭を剃る前なんかに蒸しタオルで髭を温めて柔らかくしたり、皮膚を少しマッサージして行うと良い
(肌が荒れにくい?)らしいので、恐らくは頭皮を揉み込んで、剃りやすくしていたのではないでしょうか?
そういう型はないですが、そのようなことであろうかと思います。
酢薑は、要は言葉遊びの類いで、秀句とか
地口(口合い)、語呂合せ?が該当するでしょうか。強いていうならば、今の「お笑い」で言う「
天丼」とか「
かぶせ」というあたりにもなってきそうですね。
(違うか^^; )
現代の笑いのルーツもわかる!?^^;
そして、
空腕。
事前のプロジェクタの解説では、ブラタモリではないですが、ちょっと地図も盛り込みましてお話しさせて頂きましたけれども、あまりにマニアックになりそうだし、時間も少なかったので、特に触れませんでしたが、太郎冠者の科白に「鳥羽畷」という地名が出てくるのです。
「東寺の出離れ」〜「淀」まで
(魚市場跡という碑があるという話)の話をいたしましたが、おそらく最短距離の「
鳥羽街道」を通り、淀へ行こうとしたと思うのです。
☞この辺は、大きに私見ですので、話半分で聞いて下さいよ?
実は、魚市場跡もたまたま偶然見付けたんですけどもね^^;
いや、ま。その、
「鳥羽畷(縄手)」ってどこじゃいな?
ってずーっと探してたわけです。
師父なる人は「
縄手通り」ちゃうか?と言いますし……。
しかし、東寺から、淀へ行くのに、そっち回りますかね???エラい遠回りですやん?
ふと目に付いたのが「
久我畷(こがなわて)」。
調べますとですね……リンク先の「
久我 羽束師に関する発掘調査地の位置図」というのを見て頂きたいのですけども、現在はところどころ途切れたりしているけれども、鳥羽離宮跡から大山崎の方へ、西国街道へ斜めに真っ直ぐ突っ切って、合流する街道があったようなのです。(むろん、鳥羽街道を横切るような感じ)
まさか!?先祖のどなたかが「
こがなわて(koganawate)」の音を誤って「
とばなわて(tobanawate)」と間違って、書き留めたり写し取ったりしたか知らん!?
大蔵虎寛本「能狂言」(笹野堅 校訂、中巻、p.57)も確認しましたが、「鳥羽縄手」または「鳥羽畷」でありました^^;
でも、あくまでも私見ですが、久我畷と考えるとつじつまが合うんじゃないか!?などと思いながら、「空腕」演じさせて頂きました。
☞畷には斜めの道って意味もあるらしいので、もしかしたら鳥羽からの斜めの道ってことで正解なのかも知れませんが?
ま、専門家でもない僕の想像なんで、あまりあてにはしないで下さい(笑)
え?論文になりそう!?なりそうなら、着想を得たのは僕:能楽師大蔵流狂言方の善竹徳一郎のブログだった。ってどっかに献辞でも載せといて下さいナ。
ま。そんなんでね。
当日の解説の最後で告知もいたしましたが、次回の
第15回「狂言を楽しむ 徳讃会」でひとまず、徳讃会は終了です。
一から…いや、ゼロからの構築:ルートを再開拓し、ノウハウを積み上げていくのは、それはそれは、とてもとても大変だったのですが、終わる
(もとい、終了させられる)のは意外と簡単
(その労苦を知らぬ人にとっては?)なんだな。って思います。
如何に器用な僕でも、両手両足を縛られた状態で水に放り込まれ、「上手く泳げ!!」と言われても、泳げませんデス。溺れ死にます……ハイ。
上意下達を旨とする斯界においては致し方ありません。已んぬる哉。
次回の徳讃会、有終の美を飾るべく、精一杯勤めたいと思います。