2015-01-21

我が友が旅立っていきました。

昨年12月30日の餅つきの折に撮影
(これが最後のツーショットになりました)
思い起こせば。
鍼灸の専門学校を卒業し、はり師・きゅう師の国家資格を取得できたら、
  1. 家を出て一人暮しを始めてみる。か、
  2. 自分が選んだ犬を飼ってみよう。
と心の中に決めていました。

そして。犬を飼うことにしたんです。
我が師に「犬のしつけも出来んやつが、自分の子どもを育てられるかい!犬を飼うてみろぃ」と言われたのもあります。
いろいろと、犬を飼うにあたっての留意点とか、しつけの方針とか、事前に調べまくったように記憶しています。(そして、アンチ・ペットショップ派になりました。)
紆余曲折を経て、ご縁あって知り得た、NPO法人 アニマルレフュージ関西(ARK)(捨て犬・捨て猫のシェルター)に保護されている犬の里親になることを決意しました。
ま。人間はものすごく雑多な血筋なのに、犬だけ血統書付き。ってのも非常にアホくさいことだ!と思ったのもあります(意見には個人差があります。)

上述のARK敷地内に作られた、1坪程の庭付きゲージに入ってる犬を見せてもらいながら、いろんな犬に近づいてみました。警戒して牙をむいて吠えまくる奴も居るし、小屋の中でビビって出てこないのも居るし、あるいは無頓着に寝たまんまってのも。
そんな中、ホントにBoogieだけが、声を掛けると静かに僕の側に寄ってきて、檻越しにそっと手の甲のニオイを嗅いで、小屋の中へ戻っていきました。

次の週、再びARKを訪れた時。Boogieはちょっと動きが機敏でした。そして、リードを借りて少し散歩をさせてもらったんです。(他にも何頭かと。)
そして、ブーギーとなら上手くやっていけるだろうと思いましたね、その時。

実際に飼ってみると、初めの静かなイメージは全く嘘でした(犬なのに、猫被ってた!ww)実は、ものすごくひょうきんで、おだてれば大喜びする犬でした。(ベースは残念なお笑い路線。)家族にもとても優しかったです。晩年は僕の息子や娘を見守るおじいちゃんみたいな存在でした。
でも、ある時は野良アライグマと格闘して追っ払ったり、満身創痍になりながらも外敵を追い払う、闘争心や度胸も満点でした。(ラブラドール系と猟犬系が混じってたものとみえます。)

月日は流れ。
ブーギーの真っ黒だったマズル付近に、白髪?が目立つようになってきて。
昨年11月あたりから、見当識障害のようなものが見受けられるようになりました。何もない中空に向かっていつまでも吠えていたり、奇妙な夜鳴きをするようになりました。道行く人に無駄に吠えたり……。あと、両耳が物理的に聞こえなくなっていたものと見えます。こちらの声の指示が分からない様子でした。
獣医師からも「おそらくは、認知症の始まりでしょう」「目は見えていますが、耳はおそらく聞こえていません。」という話がありました。
いよいよ要介護状態も覚悟せねばならぬか……と老犬介護を考えていた矢先でした。

そして、1月20日の朝6時40分ぐらいでしたでしょうか。妻が「ブーギーの様子がどうもおかしい。」「見てあげて欲しい。」「ブルブル足腰が震えて立てなくなってる」と寝室までやってきて言いました。まだ僕はベッドから起き上がったぐらいでした。
すぐ後に「早く来て見てあげて!絶対何かおかしい!」と言い残して階下へ降りていきました。その時もまだぼーっとしてたように思います。(とりあえず日課のスクワットをしてたでしょうか。)
その次に妻が来た時、「ブーギー死にかけてる!もう、死んだかも!!」と言われて、ようやく事態の深刻さを理解しました。

妻と共に傍らに寄ると、パッと見る限りブーギーは腹臥位の状態で、目を見開き、尿と便の失禁、流涎があり、心肺停止状態のようでした。
まさか、心肺蘇生法の資格を取って、初めての生体への実践が、自分の飼い犬になるとは思ってもみませんでしたけれども、すぐ側臥位にしてCPRを始めました。(帰ってこーい!って。)

息を吹き返したところで、少し呼吸の様子を見つつ、犬猫病院へ搬送することも考えました。ただ、努力性呼吸であろう事は推測できたので、これから受け入れ病院を探しても、受け入れ先に搬送中に死亡する可能性が高いのなら、このまま看取ろうと思いました。(実際、深く大きな呼吸でしたが、20回もしないうちにそれも止まり、さらに失禁もしましたので。)

その後5、6回でしょうか。しゃっくりのような、大きく仰け反るような吸気をして、死の転帰を迎えました。

ブーギーが居てくれたお陰で、僕の人生は楽しく豊かなものになりました。そしてブーギーは長きに渡り、僕や家族を見守り続けてくれました。
いつか来るであろう彼の死に際して、僕は最期の看取りが出来るのか。それが心配でしたけれども、図らずもいまわの際に立ち会うことが出来ました。
僕の方はとても寂しくなりますが、ブーギーはきっと寂しくなかったと思います。

今までありがとう。さようなら。

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