晴れたら晴れたで、舞台上の演者はめちゃくちゃ暑いんですが、雨が降るよりずーっとイイです(笑)
息子殿も少しも心配なところもなく、落ち着いていて、とーちゃんが科白を間違っても気付かずにスルーしたのは、まるでプロみたいでした(爆)
-`).。oO(ってか、間違うなよな^^; とーちゃん(‐_‐)
前日、16日(土)から大二郎氏、忠亮氏にはお越し頂きまして、いつもの合宿のテイ(笑)で十分な申合せをさせていただく事ができました。両氏のご厚意には感謝申し上げる次第です。
息子殿も、実際の出演予定の時刻に近い時間に声を出し、万全で臨みました。
大二郎氏との申合せ後に、面白い映像が撮れましたので、アップしておきます。いつもこんな感じで僕は舞台を磨いているのです。
あ!そういえば、「解説」で舞台がどうして光っているのか述べようと思っていたのですが、失念してました。あれは、創立初期の頃には牛乳や米ぬかで磨いたからと聞いています。(現在は、油脂を含むものでは磨いていません。油分を含ませると酸化して黒っぽくなるそうですね。)
アンケートの中では、「前説」が長すぎるという御感想もあったのですが、申し訳ありません。今回は50周年の一環ですので、当舞台のトピックに特化した、少々マニアックな内容となりました。
ただ、かつての善竹能舞台周辺の様子を知る人や、我が家と御関係のあった方には、懐かしく、かつ新しい発見もあった解説ではなかったかと自負する次第です(笑)
☞って御感想を実際にいただきましたし^^;
さて。
その中で、「宝の槌」の「終わり」がよく判らなかった。とのお言葉を頂きました。アンケートでは、このブログ(不肖の駄文垂れ流しサイト)を御笑覧下さっている方も多数おられるようでしたので、以下、簡単(?)ですが、僕なりの解釈を記して補足の解説に替えたいと存じます。
以前の徳讃会で「やるまいぞ、やるまいぞ」で終わらないパターンの演目もあるよ。ってお話をした事があるのですが、今回の「宝の槌」はそれに該当します。(ついでに言うと、「痿痢」もそうです。これは「叱り留め」ってやつですね。「何でもない奴、退りおろ!」って主人が怒ります。)
そして特に、「宝の槌」は、科白の語彙と解釈を知らなければ、いわゆる「オチ」もようワカラン。という話の終わり方なのかもしれません。
今回「宝の槌」は、「脇狂言」としての位置づけで上演しました。
「主」が長裃を着けて(「痿痢」の主人と同じ出で立ちで)登場することもあるのですが、「脇狂言」という位置づけになると、「果報者」(運を得て財を築いた人)となります。全体的に声の調子も明るく晴れやかに、祝言性が高くなるのです。
特に今回、50周年というお祝いですので、「果報者でお願いします。」と忠亮氏と大二郎氏にお願いしていた次第です。主人(果報者)は紅白の段着付と素袍と侍烏帽子をまとい、格式がアップしています。
また最後の科白では、
(太郎冠者)追っ付け、御加増を取らせられ、御立身を(「ん」につづく「を」は「の」に変化します)なされ、御普請を(先と同じく「の」に変化)なさりょう瑞相に、番匠の音が、クヮッタリ、クヮッタリ。
(果報者)それこそ目出度けれ、往て休め。(太)ハァー (果)エーイ (太)ハァーという、と述べています。
口語に意訳しますと、
もうすぐ昇給して、さらに出世して、家を新築するおめでたい兆しに、宮廷に出入りするような偉い役職の大工さんが金づちを振るう音(クヮッタリ、クヮッタリ)が聞こえてくるようですよ!!それを受けて、果報者が
それはとってもめでたくて良い事だ!休んでよろしい!!と、言い付けるわけですね。
まぁ、果報者は“ラッキーボーイ”(?)なので、部下の少々のヘマなんて屁でもないんでしょうか……ね?(笑)
いわゆる「オチ」にあたるものは……たぶん、ないです^^;
それは、祝言性を高めたお祝いの演目(脇狂言もの)である。というのが、その主たる理由になるのでしょうか。
善竹能舞台の創立/創建50周年の歴史と掛けて(善竹能舞台も番匠のような職人さんらに建ててもらい、また日頃のメンテナンスをしてもらってるわけですから)この演目をチョイスした………なんて言うと、格好良すぎるかなぁ!?
ええ、ええ。そういう趣向で御座いましたんです。はい。
まぁ、でも。
狂言は全てが分からなくても良いと思います。何度か観てると「ははぁ……ナルホド!」という時が来ると思います。
しかし、そこまで悠長に待ってられない。もっと積極的に解りたいのだ!!という人は、とても良いと思われる方法があります。
ぜひ、うちの舞台で主宰してる趣味の大蔵流狂言「高和会」で狂言を習って下さい!!(*^^)ええ。
百聞は一見にしかず、と言いますけども、実際にやってみると、もっと理解が深まること間違いなしです。
ってなわけで。
手ぐすね引いて待ってます!(`・ω・´)キリッ
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