2014-09-30

「藺を引けば灯心が出まする」— 概説 狂言「以呂波」のこと

かねてより、

第7回徳讃会は演目の解説がありませんという旨、お伝えしていたかと思うのですが、その代わり、こちらのブログで、ごく簡単に(僕の理解した範囲で)解説を試みておこうかと思います。
※多少ネタバレ?はあるかも知れません。悪しからず^^; 

さて、

初番の狂言「以呂波」に出てくる「いろは」ですが…。Wikipediaの記述を引用しますと、
いろは歌(いろはうた)とは、すべての仮名を重複させずに使って作られた誦文のこと。七五調今様の形式となっている。のちに手習いの手本として広く受容され、近代にいたるまで用いられた。また、その仮名の配列は「いろは順」として中世から近世辞書類や番号付け等に広く利用された。ここから「いろは」は初歩の初歩として、あるいは仮名を重複させないもの、すなわち仮名尽しの代名詞としての意味も持つ。”
いろはにほへと ちりぬるを   色は匂えど 散りぬるを
わかよたれそ つねならむ    我が世誰そ 常ならむ
うゐのおくやま けふこえて   有為の奥山 今日越えて
あさきゆめみし ゑひもせす   浅き夢見し 酔ひもせず

大まかにまとめると、すべてのひらがなを重複しないように使って、詠んだ歌ということになります。
「京」というのは拗音(ちっちゃな「ゃ」「ゅ」「ょ」のこと)を習わせるために付け加えたとか……(へぇぇぇ!そうなんや(゜o゜;)


で。

「作者は誰なんか!?」ってハナシですが。
狂言「以呂波」の中では、「高野の弘法大師の作らせられた、四十八文字の『いろは』というがある…」と述べていますが、現代の学説では確証はないようです(どちらかと言えば否定的?)

写真は、京都の東寺へ参った折(骨董市)に、息子殿に見せたろと思って撮影してきた分です。
弘法大師(空海)



一説には、弘法大師とは異なる別の作者が、遺恨を詠み込んだ「暗号説」という話もあり、「咎無くて、死す」という文言を読めるとかΣ(゜д゜

さてさて。

狂言「以呂波」は、親が子どもに「手習い」(読み書き)を教えるのに難渋するというお話(これまたザックリとしたまとめだナ…^^; )なのですが、そのなかでも当時の風習を知らないと少し分からないかも。という事柄に少し触れておきたいと思います。

途中、親と子の対話が「連想ゲーム」のような様相になってくるわけですが、「藺(い)を引けば灯心が出まする。」という言葉があります。
「いろは」の「い」に連想して「藺」について、子が述べるわけです。

これは、古くは「藺:い草」のを灯明油に浸して照明にした事によります。

☞い草の栽培は、こちらのブログ(奈良県安堵町の伝統産業 灯芯引き)を御参照下さい。

☞灯明の点灯に際しては、こちらのお店の販売サイト(油でともす和の灯り、臭いもなくモダンです)を参考にしました。

我が師に尋ねると、
「灯明油は仏具屋にあるんとちゃうか?」
とのことで、職場近くの仏具屋さん、地元の仏具屋さんをハシゴしてみましたけれども、1軒は業務用の一斗缶での販売のみ、もう1軒は取り扱いなし。さらにもう1軒は「ウチでは取り扱ってないけど、菜種油を探さはったらヨロシで?」とのこと……。(せやかて、スーパーで、普通に菜種油なんか売ってへんがな^^; )

4軒目も回ったのですが、そこは既にお店畳んではりました(…ので、ここで力尽き、Amazon大先生にお伺いする事にしました。)

ははぁ…。

さすがは、Amazonには何でもあります。
しかし、灯明油は何だか割高なんですよね^^;
そこで、ふと思い出しました。「灯明油は、菜種油や!」って話。
じゃ、この際、菜種油の風味にも個人的には興味があるし、菜種油買うとこかい!ってことで、食用菜種油をAmazonで買い求めました。


亡祖父、

玄三郎の遺品を整理した折に、「あ。灯心あるわ。これ、『以呂波』の解説に使えるな。」という事は、前から思っていたのです。
ですので、Amazonで買い求めたのは、菜種油のみになります。(なんと、灯心も売ってましたけども!)

また、右下の丸いのが、「灯明皿」と呼ばれるものでしょう。その下には「受け皿」があって、2重になってます。皿の中央に乗っているのは「掻き立て」と呼ばれるものですね。

以前に確認したときは、箱の中身を精査しなかったのですが、祖父の記した覚書が入っていました。
先達が用いた、いにしえの照明器具の参考として、また以呂波の参考品として、後世に伝えるために、灯心などを探し求めた旨、書かれています。

…ありがとう、爺さま。こうしてブログになりました。
はい。そしてこれが灯心です。
祖父は、3束買い求めてたみたいですが、1束は既に封切られていました。

触るとふわふわした感じがします。

実際に菜種油に浸して(割とすぐに浸透します)着火するわけですが、上記の引用したお店の内容に従い、3本に火を付けました。

明るさは文字が何とか読める感じでしょうか。
燃焼中は、臭いもさほど気になりませんでしたが、消火後、少し別室に外して戻ってきたところ、割と臭いが気になったので、やはり最終的には換気扇を回しました。(煙もあまり出ない印象ですが、油の質によるのでしょうか?)

燃焼時間。

おおよそ、30分というところでしょうか。個人的な印象としては、割とすぐに油がなくなるなぁ……という感じです。この調子だと、大きな灯明皿にでもしない限りは、すぐに継ぎ足していかなければならないような気がします。

そして、菜種油のお味。

卵焼きを作ってみました。独特の風味があるのですが、これは好みが分かれるところかも知れません。(僕はわりと好きです。)
ただ、オリーブオイルのような洋風なイメージを持ってると、思いっきりガクッとくるかも知れません。和風の炒飯とかに良さそうです。(和風炒飯は祖母に教わった料理です。)

さて。次に「ろ」。

「ふねにはろかいがいりまする。」と、「いろは」の「ろ」に反応して子は言いますが、これは「船には艫と櫂が要ります!」と言っています。
しかし、適当な写真がありませんし、身近で撮影に行けそうなところも思い当たりませんので、こちらのサイト(艪櫂用語)を参考にしました(第2項と4項が該当するかと思います。)

そして。「ちり」。

「ちりぬるをわか」の「ちり」ですが、これと「塵」を掛けるわけですね。
「ろ」から「はにほへと」が飛んでしまっていますが、あんまり余計な事を子が言うので、親もちょっとイラッ!として忘れたのかも知れませんね^^;

いずれにしても、猪口才な子どもである事は確かです(実はリアルでもそうです(-。-;) )

最後は……。

現代ではちょっとアレな内容?なのかも知れませんが、今も昔も子育てには苦労したんだなぁ…(-。-;) という事が、身につまされてよく解るのです(ええ。ごく個人的にですが。)

ま。そんなわけで。
息子殿にはきっとはまり役なんだろう。と思うのですが……(笑)

第7回「狂言を楽しむ 徳讃会」のチケットは、明日10月1日からお申し込み受け付け開始です。全席60席(お申し込み順)となっています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

2014-09-29

お稽古_⑬ 正座ができるようになりました。

左(だったかな?)膝蓋骨付近に縦方向の裂傷を負っていましたが、ようやく傷口も塞がって、Dr.氏よりケロイドの心配もない。ということから膝を曲げても良い旨の許可が出ました。
これで、舞台の上で座つく事ができます。

これに伴いまして、前回までは幕から出て、(便宜上)常座付近に立たせていましたが、これからは座らせる事に。

言葉も少し考えるとスラスラと出てくるようになりました……が、少し考えるが空いてしまうんですね。
ま。それは、今後の課題としましょう。慣れも必要でしょう。
ウチの息子殿は、気分が乗るとグイグイ来るんですけども……ねぇ。(ホンマ難儀な人や…^^; )

さてさて。
いよいよ次回の稽古(10/4)からじぃじと合わせてお稽古を予定しています。また違う雰囲気の中で上手くできるでしょうか……。
まずは、とーちゃんが日頃、ちゃんと稽古をしている!という姿を見せてやる事が必要なようですね(笑)

2014-09-26

もう3年になりますかぁ……。

今日は祖父 善竹玄三郎の命日です。
存命であれば、満100歳です。

うむ。
まぁ、所与の条件(あるいは笧?)の中で、僕は僕なりに精一杯やっていますよね(……たぶん。☜と、ちょっと自画自賛 笑)
玄翁にはまっこと歯痒い事かも知れませんが……^^;

玄翁の築いたリソースがあればこそ、僕はある意味、楽をしております。
このリソースを食い潰すのではなく、何かしらの付加価値を付けて、次代に託せるようにしたいと思っています。

さて、今日は。
新しく複製を頼んでいた善竹彌五郎翁の写真を引取りに参ります。
こうして、史料などをキチンと繋いでいく事も、我が法人の使命と考えています。

2014-09-25

お稽古_⑫(補習) 立ち稽古おさらい

火曜日(祝)はごくごく軽くに立ち稽古をしてみました。

まず稽古を始める旨のあいさつをして(まだ正座できません。24日に傷口を見ましたが、まだ塞がってなかったです。)舞台の上で体操をします。
これは非常に楽しそうに取り組みます。脱力を目的にクネクネしながらやるからかも知れません。(あ!今度から笑いヨガをやってみようか!?)

そのあと……揚げ幕の裏側に立って、まず立ち方ですね。幼稚園児にイメージしてもらえるよう、「おならブー!のポーズ!!」(そういう動画があるんです☜うちの子ら、めっさ大好物(-_-) )と仮に称しています(済みませんね、ヴィロウな話で^^; )
ま、違うんですけどね!!(ここは強調しておきたい……)
※諸兄諸姉におかれましては、僕の苦心・腐心を御賢察いただければ幸いです(>_<。。。 ふざけているつもりは毛頭ございません^^; 

芸事に「楽しさ」を求めるべきものではないのかも知れませんが、まぁ、今ぐらい〜小学生低学年くらいまではいいんじゃないかと思ったり、思わなかったり……^^;
悩ましいところです。

さてこれが、ある程度、こなれてくる(?)のにどれぐらいかかるのでしょうか……。
僕は中2の頃に「あ。こういう時は、こうなるんだね。」というある種の定型化ができた(直感的に解るようになった)ような気がします。
「あー!そーなんや!!」というのがアハ!って分かったときは割と衝撃でしたから(よっぽど、僕の理解力が低かったのか^^; )

ま。10年でしょうか……。

2014-09-24

たまには、小職のことでも。

……たまには、僕の事でも(え?そんな情報要らん???)
息子殿は、ボチボチと馴染んできてる……ハズです。

さてさて、僕の方はですね。
息子へ伝授しながら、自分の事もやって行かんとアカンわけですね(もちろん、法人の運営のための事務仕事なども並行して。)
第7回「狂言を楽しむ 徳讃会」では僕は「棒縛」のシテ(次郎冠者)と「柿山伏」のアド(畑主)に役が付いています。(もとい、付けています。→これは秘密ですが、自分のやった事ない演目、役から付けてます。済みません^^;

まぁね。
残念ながら、僕に「シテ」が付く事はまずありません。なので、自分で自分に配役して、自分でプロデュースするしかないわけですね(;^_^A
そんなわけで、棒縛のシテは、なんと披きでございます(笑)あんなにポピュラーなのにねぇ!!(主人のお役を頂戴した事はありますが……。)
→僕がシテをやっているところを御覧になりたければ、ぜ ひ 徳 讃 会 へ 足 を お 運 び 下 さ い !!(爆)

ま、もっとも。
祖父玄三郎や我が師からの教えを踏襲して、基本的に徳讃会にご出演をお願いした狂言方には、なるべくシテかシテに準ずるお役をお願いしています。
→だってその方がモチベーション上がるやん!?(笑)え?上がんない???^^; 

週末に我が師より稽古を付けてもらうわけですが……。
他にも週末には研修やら資格の更新などもあります(自費……orz)

先日には前回の受講から2年経ったので、資格更新講習を受け、まぁなんとか更新できました。
次回は何かガイドラインが変更されるような事をいうてはったので、また内容が変わるのかも知れません。
※ちなみにコレは心肺蘇生法の資格です。





友人が、趣味の民謡の舞台に立つとの事で拝見に伺ったりも……
※別にスカウトしようというつもりではありません(笑)










地元にいながら、高槻現代劇場の中ホールには入った事がありませんで^^;

※ホール入り口のロビーですが、皆さんここで飲食されてました。
実は、ここ。
仮設の能舞台を組めるのですナ。

いつか、ここで徳讃会を……!!
という思いもあったり、なかったり!?^^;

なかなかお誂え向きのホールだと思いましたが……。
※偵察…ってわけでもないです。



そして。
平日は病院勤めをして、二足の草鞋を履いておりますと、電車やバスなどの移動時間が貴重なメモライズの時間となります。(意外と覚えられるもんですよ?30分もありませんが。)
そのため、ちょっとまた自転車通勤はお休み中です。

ここまで開帳するのもどうかと思いましたけれども^^; これは僕が覚えるように編集した「棒縛」の台本です。

上段にシテ(自分)の言葉、下段にアド(太郎冠者と主人)の言葉を配しています。
※あくまでも、僕個人が科白を覚えるためだけのものです。

こうやって写す事でも視覚的に言葉が頭に入るという効果もある……のかな!?
でも基本は、稽古場で実際に声を出しながら、自分の声を耳で聞いて覚えていく方が手っ取り早いです。

まさに!!器用貧乏暇無しの見本市みたいなもんですナ……あはははは(笑)

以上!!続きは次回の講釈まで。

2014-09-22

お稽古_⑪ 立ち稽古

土曜日。
膝の負傷で正座ができない(傷口が開くため、90°以上は曲げてはダメと。☜いや、遊びに夢中なときは何気に曲げとるけどね(--;) )ので、はてさてどうしたものか……。と
本人は傷の痛みもなく、至ってやる気はあるようなので、稽古はやろうと思うのだけれども、ドクターストップで座る事はできない。
→必然的に立ち稽古に移行ということになりました。(僕が以呂波をやったときのDVDを見せて、事前に映像学習してね。)

そして、実際に立って稽古を始めてみると……。「あ。そうそう、これも教えないと!」ってことが、わんさかあることに改めて気付きました。

そうなんよねぇ……。
立っている姿勢もそうだし、摺り足の歩き方もそうだし。幕が揚がってからどういうタイミングで出て行くのか。ってこともそうだし……。お扇子の扱いも、舞台に立つ前の段階の作法ということで覚えておかなければ……。
普段、何気なく自分がやっている事を逐一、教えていく必要があるのですね……(°□°;)
(靱猿の小猿とはまた違う新鮮さがあります^^; )

で。
懸案の言葉はというと…。
僕自身が型を教わってるときは、あまり科白では逐一怒られなかった記憶があります。ひとまずは、大まかに全体の動きを把握してしまってから、今度は科白と型(所作)を細かくすり合わせていくことになります。

まだ始まったばかりで何とも言えませんが、第7回徳讃会まであと55日です。10月にはじぃじとも合わせていかなければなりません^^;
月曜には、摺り足で歩く稽古だけをしてみようか……。

2014-09-19

負傷の息子(≒不肖の息子)

なんやもう、ほんま。色々ありますな。
昨日、息子殿は幼稚園から帰宅して、玄関の敷居あたりで、四つん這いでハイハイをしていた!?(何でそんな事してたんかは、不詳。幼稚園児、訳ワカラン^^; )らしくて、膝小僧を約30mmほど切ったとのこと。

切創はパックリと割れてたらしくて、急ぎ止血しつつ近隣の病院へ。
診察の結果、傷はあまり深くなくて、縫合して止める必要も無い。とのことで、テープと防水の保護シートを貼り付けて(最近の医学は素晴らしいですなぁ。閉鎖療法のやり方でしょうか。)おしまい。ということでした。

土曜日には再受診して様子を見るという事で……。

膝の切創という事で、屈曲位をとることができません(90°以上は禁忌とのDr.指示☜曲げると傷口が開くため)
……ということはですよ?

正座できませんやんΣ(゜д゜
いやはや、稽古、どないすんねや!?ってハナシでね。

ま、そんなんでね(どんなんや!?)これはサッサと立ち稽古に移れということかしら。
いやしかし、それでも舞台に座つく型があるんですけれども?……それは便宜上素っ飛ばして???

ま、こうしていろいろイレギュラーが発生してくれるので、退屈しなくて済みますね……。
アハハハ………(;^_^A

そういや僕も、夏休みに田舎に帰ってるとき、側溝に落ちて、側溝の一部を覆ってるグレーチング?だったか、鉄板の蓋の縁だったかで臑をザックリ切った事を思い出したのでした(--;)

2014-09-18

お稽古_⑩(補習) 怒り心頭

真剣に稽古に臨む姿勢が見られない。
というのは、まさしく昨日の息子殿の感じでしょうか。

舞台に上がると、誰も助けてくれません。幕に入るまでは自分で何とかせなアカンわけですね。
しかし、幼く経験も少ない息子にはアドリブなどできるハズもなく、舞台上で科白を忘れて沈黙、型を忘れてフリーズ……という事態を避けるには、しっかりと稽古をして、習得しておかねばならぬのです。

初めの一語をこちらが手助けすれば、後は何とか出てきますが、手助けされた言葉を尋ね返したりしてるようじゃぁ、全然アカンのです(--#)

とうとう、その安易な姿勢が目に余るようになったので、叱りました。盛大に泣き崩れていましたけれども、
泣いたら言葉思い出すんか!?思い出せへんのやったら、泣くな!!
というと、懸命に涙を堪えようとする姿が、健気でありました(笑)
その後は、上の方をにらみつけてたので、
天井に言葉書いてあるんか!?相手ののど元を見とかんかい!!
と、目の付け所を指摘すると、これまた一生懸命にね(爆)
→舞台の上で泣くなんてことは、絶対に許されませんわな。
→僕も実は就学前にピアノの発表会で泣いてしまった経験がありましたが、「舞台の上で泣く奴があるか!」と、そのエピソードは高校生になるぐらいまで師匠に言われ続けました(;^_^A 

見所(けんしょ)のお客さんの笑い声とか、ちょっとした物音や弾みで、集中力を欠いてしまい科白や型が飛んで真っ白……ってことは、幼い時ほどよくあると思います。

次の稽古は20日(土)です。
土曜日、午前中に稽古をして覚えていれば、そのまま立ち稽古に移行します。
覚えていなければ、その日の午後までに覚えること。そして午後から再び稽古です。
できるまでやります。

これはもう、伝えてあります(`・ω・´)キリッ

2014-09-16

お稽古_⑧・⑨(補習) そして、DM発送を終えました。

具体的な目標を設定したため、もう少し頑張らねばならぬと息子も思うようになったのでしょうか。言葉を急速に覚えてきました。(切羽詰まらぬとやらぬタイプか!?それともある一定の閾値を超えないといけないのか!?)

しかしまだまだ……。初めの一語をこちらが言ってやらないと出てこないようです。あと長いセンテンス、あるいは複数のセンテンスになると、どうも後半が分らなくなってくるみたいです。

そして、“二字め上がりの三段起こし”という独特の言い回し(発声法)をどれぐらいまで厳密に指導を加えるか(嫌気がささない程度に?)
あんばいが難しいですね(--;)

15日も祝日でしたが、軽く声を出す感じで稽古をしました。やはり反復して何度も耳から聞いて覚えるのが、遠回りのようで近道のように思いますので……。

また15日には、お待たせしておりました、第7回「狂言を楽しむ 徳讃会」(本年11月16日、14時〜 @善竹能舞台)の御案内を発送いたしました(アンケートでDMをご希望された方のみですが)近日中にはお手元に届くものと存じますので、ご笑覧いただければと存じます。
いつもチラシには、大蔵流狂言に用いる「御道具」を配っておりましたが、今回は人物の写真を配しています(今までのチラシの表紙は法人公式サイトトップページにて御覧いただく事ができます。)
また、違った趣があるのではないかと愚考する次第です。

他方、念の為こちらにも記載しておきますが、
  • 原則的に当日券の取り扱いはありません。前売券にて全60席(先着順)です。
  • ご来場に際しては、ぜひ公共の交通機関、タクシーのご利用をお願い申し上げます。市の後援を得る際にも、公共交通機関の利用推奨するよう言われています。
  • 普段駐車場にしているスペースはありますが、こちらは舞台関係者のみです。
  • 当該スペースは、非常時にはお客様の緊急の一時退避場所として確保しています。
皆様のご理解とご協力をお願い申し上げる次第でございます。

2014-09-12

おっけー?

11日。
夕飯時に息子に「来週の9月20日土曜日から、立ち稽古に入ります。『以呂波』の言葉はそれまでに覚えます。」「相手のじぃじ(親役)の言葉も覚えるぐらいやないとアカンで。」「O.K.?」と、伝えました。

「うん。おっけ。」って頷いてました。

そして、夜。
風呂から上がった息子に、ベッドで転がりながら僕が「親」の科白を言うと、自分の役(「子」)の初めの科白だけを返してきました。

お!?続けるのかな?と思って、そのまま親役の科白を言ったのですが、後が続かない。
仕方ないので、昔ばなしの代わり?ではないけれども、ぜーんぶの科白(二役)を言ってやりましたわい。
そして、「とーちゃんは、もう言葉を全部覚えました。」「あとは○○さん(息子の名)が覚えるだけです。」と……。

まずこっちが率先して「言葉を覚えている」「いつでも立ち稽古できる」という態勢を示さなければならぬのかもしれぬと思い、諳んじてみたのですが……。ちょっと動機づけになるでしょうか。

ま、最後の方は、ちょっとおふざけが入りましたけれどもね(早送りのカセットテープのように科白をまくし立ててみたら、大喜び^^; )

2014-09-11

お稽古_⑦(補習) ちょっと覚える気になった?

10日も夕食後に稽古をしたのですが……。
例によって「稽古」と聞いたとたん、グデンと寝っ転がって動きが鈍くなったのは、仕様です。

稽古では、ようやく感覚が掴めてきたのでしょうか。言葉を発声する事に羞恥心のようなものは少しずつなくなってきているようです。
ただ、言葉を思い出そうとして、無意識にキョロキョロ、モジモジしている体動(目や手の動き)などは、今後補正していかねばならぬように思います。

しかしまぁ、何、このムラッ気……。
もう少し、具体的な指示、目標(例えば、「次回までに○○までは必ず覚えてくるように。」など)を設定していく方がいいのかも知れませんねぇ^^;

テレビなんかで、いろんな演劇や伝統芸能の稽古風景を放映していたりします。
台本を手に持って型をやりながら、科白をしゃべるというのをやっておられるようなんですが、我が家ではそれが許されないんですよね……(--;)
師匠に立ち稽古をお願いするときには、少なくとも科白の9割は頭に入っているような状態で臨まなければならない感じです。(言葉は既に消化済みである事が要求される)
→逆に言えば、それぐらい余裕を持って稽古ができるぐらい、舞台数が少ない……!?という証左なのでしょうけども(爆)

何れにしましても、きっちりと教えてやるには、結局のところはおざなりにせずに地道に、粘り強く、繰り返し教えていくしかないようですにゃ≧ΦΦ≦

……はてさて、20日には立ち稽古に移れるかなぁ(それで1週遅れです。)

2014-09-09

お稽古_⑥(補習) 早くもその境地か!?

以前、ここでも書いたかも知れませんが、狂言方あるある(なのか!?)の一つとして、
あ れ ぇ ! ? な ん で み ん な や っ て な い の ? ? ?
と、気づく瞬間があるようです。
かくいう僕も、だいぶ遅くにそれに気付いた時のことを、なんとなくおぼろげに覚えております。
クラスメイトと話してると、どうやらみんなは「お舞台」をやってないらしい。ってことに気付いてしまうわけですね(舞台に立つのがフツーって思ってるからね。)

8日夕食後に、セリフ習得の進捗が予定より遅れている息子殿の補習的な稽古を行いました。
二人で足袋を履きながら、息子が嫌々やってそうなところが目についたので、「どうした?お稽古が嫌なんか?」と尋ねてみました。息子はコクリと頷きながら「○○(スイミングスクールの名前)も、ほんとはイヤやねんけどな……。」って言ってました。
「お舞台(狂言)は、好きじゃないのか?」 
 と尋ねると、
「・・・・。」(黙ってました。)
僕自身は、現実を度外視した「夢想」ばかりを語る(騙る? 笑)オトナにはなりたくないので、息子には自らの進路を判断、選択をする余地を留保しておいてあげたいわけですが、まずは嫡男の責務として伝えておかなければなりません。
提案として、
「正直なところ、狂言をする事がお前にとって(手放しで)喜べる事なのかはワカラン。」 
「でも、お前は“ 特 別 な 事 ”をすることができる。」 
「とーちゃんは、お前の幼稚園のお友達がお舞台教えて!って来ても絶対に教える事はない。でもお前には、誰もできない、誰も知らない秘密の事を教えてやる。」 
「それって、ちょっとカッコよくない?」 
「そう考えてみるのは、どうだろう?」
と、言うと……。
まんざらでもない感じでした(笑)
稽古も息子が思ってたより、サクッと終わったので、それも良かったみたい^^;
トークンもちょっと良さげな奴をバーンと巻物に貼って、ご満悦でした。

先日、 テレビに出演してた歌舞伎の市川猿之助さんが、「これほど割に合わない仕事はない。」「でも、好きだからやっていける。」 というような事をおっしゃっていましたが……。
僕を支えるのは、好きとか嫌いとかの感情ではなくて、単に使命感だけだなぁ……(好き嫌いの対象でもないので。割に合わない仕事なのは、我が家も同じく!!^^; )
などと、思ったのでした。

2014-09-08

お稽古_⑤ そして、準備は着々と……。

土曜日。

例によって、息子殿の稽古でございました。
僕は9時に少し遅れて稽古場に入ったのですが、ちゃんと座って待っていました。えらいえらい(笑)

少し長めのセンテンスを反復するようにしつつありますが、長めの文になると、初めの方の内容の記憶を把持できない(想起できない?)のですね。そして自信が無いので、声も小さくなる……と^^;
モジモジして、衣服を触り出したり、頭を掻いたり、目がキョロキョロしたり……。これらは舞台上では好ましい反応とは言えません。
→ひとまず、ワーキングメモリーを鍛えなアカンのでしょうか。それとも、想起したものを発声する段階で羞恥心が邪魔をするのでしょうか……。
→でも、なんで思い出そうとすると眼球は上を向くんでしょうね。不思議よなぁ……。誰もそういう反応を教えてはいないと思うし、そんな事を観察する機会でもあったんだろうか。(幼稚園で!?)

目標では、9月中旬までに覚えてしまうはずだったのですが、遅れています(--;)
中旬から立ち稽古に入り、下旬にかけて型を教えて、10月から師匠(じぃじ)と合わせて稽古の予定にしていますが、ちょっと困りました。(我が家では、セリフが十分に定着してから、立ち稽古に移行する事になっています。)

なので、今週からまた平日にもちょっとずつやっていく事にしました……。

そして。

かねがね、新調しようと思っていました、プロジェクタ投影用のスクリーン。100インチのものが届きましたよ(*^^)
Amazonでディスカウントされてたので、つい。

以前のものは、三本の脚で支えるものでしたので、組み立てと撤収が少々手間取るものでした。
広げてみましたけども、でっか!!(°□°;)

脇正面の約3分の1が隠れる感じですよ。

講演・ワークショップなどなど、どんどん呼んでくれたらいいのに(笑)
プロジェクター、PC(Mac)、スクリーンは持参しますよぅ!電源さえをご用意して下さればOK!!

→大蔵流狂言講座については、こちら!!(営業です。)




日曜日。

師匠に僕が稽古を付けてもらった後に、子方用の装束を出して、息子殿に合わせてみました。
何度も言うようですが、息子殿は小柄ですので、我が家にある子方用装束の最小サイズに、さらに身揚げをするようなかたちになりました。
試着の最中、急に機嫌が悪くなって、泣いてましたけれども、アレは何だったのでしょうね。帯の締め付けが痛かったのかなァ…。

締め付けられる事で呼吸が浅くなるのか、それとも緊張のせいか、「生あくび」が増えますよね。ゴチャゴチャ屁理屈を言うてましたけれども、これも試練でございます。徐々に慣れていかないとね。
子方用装束を出したついでに、僕の把握していない柳行李があったので、舞台に広げて風を通しておく事にしました……。

そして。

僕の初舞台に使った足袋がちょうど息子の足にフィットしたので、足袋はこれを使う事になりました。

足袋にはコハゼという金具がついていますけど、それを引っかける紐は2列あるんです。
でも、よく見ると、3列目を増やした形跡が(笑)

茶の縞足袋ばっかりと思ってたですけど、萌葱の縞足袋もあるんやねぇ……。

このように準備は着々と進んでいるのですが……。息子殿はなかなかにマイペースです(+_+)
今日も仕事から帰ったらお稽古でございますよ(笑)



2014-09-07

第7回「狂言を楽しむ 徳讃会」のチラシが出来上がりました(o^-^)

さて。

標記の通り、第7回「狂言を楽しむ 徳讃会」のチラシが出来上がって参りました(o^-^)
本年11月16日(日)善竹能舞台に於きまして、狂言会を催します。
万障お繰り合わせの上、お越しいただければ幸いに存じます。

この度は、我らが善竹の門閥の創始者である善竹彌五郎翁の没後50年となることから、故人を偲び彌五郎翁の最新の学術研究に基づき、その知見の一端をご披露いただきます。

どの演目も、親しみやすい曲ですので、各演目についての詳細な解説がなくともお楽しみ頂けるものと存じます(*´∀`*)
特に棒縛は大蔵流狂言でも特に人気のある演目ですし、柿山伏は小学校の教科書に採用されるなど、ポピュラーなラインナップになっています。

なにぶん、

狭小な見所(けんしょ)ですので、お客様は60名までしかご入場・ご鑑賞頂くことができません。それ故に、(チケットの絶対数の少なさ故に、)拙ブログのタイトルになっています。(決して嘘はついていないのです^^; )
チケットのお申込み受付け、発売は本年10月1日からを予定しています。
電話・FAXでの受け付け開始、公式ホームページではオンライン販売ページがオープンします。

随時、このブログまたは、公式ホームページ公式Twitter公式Facebookページにて情報を開示して参りますので、ぜひ、フォロー(いいね!)してみて下さい。

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。

2014-09-02

祖父(おおじ)の坂を上るように、ほくり、ほくりと……。

狂言「以呂波(いろは)」の一節にある言葉です。
「おじいちゃんが坂を上っていくように、ゆっくり、ゆっくりと着実に……」というような意味でしょうか。(ヨチヨチ……って感じではないです。ごく個人的に。)

息子殿の稽古も“ほくり、ほくり”と(いや、ヨチヨチと!?)進んでる訳ですが、今週末には、子方用の装束を出してみなければなりませんね。なにぶん小柄な息子殿ですので、身揚げが必要だと思います。
胴着などもきっと調整が必要でしょうし、子ども用の縞足袋なども探し出してみなければなりません(サイズが“匁”だったりします。)

あれこれ勘案すると、子ども一人を舞台に立たせるのに、何とエラい(大変な)労力がかかることか!?(;^_^A
僕は祖父の計らいで、子方の演目は網羅したらしいですが、いろいろ師匠や祖父も大変だったのだろうなぁ……。

さてさて。
子方の心配もさることながら、第7回「狂言を楽しむ 徳讃会」の運営上の実務も並行して進めていかねばなりません。(撮影にまつわる、著作権関連の届出もありますし。)
チラシは昨日に校了しまして、印刷にまわりました。9月9日には納品という運びになっています。
まずは、出演者と関係者からチラシをお送りして、ホームページなどには先に掲載しますが、可及的速やかにお客様へはDMを発送する予定(9月15日頃?)です。

そして、クドいようですが、チケットのお申し込み受付は10月1日からです(笑)
早く、チラシができてこないかなぁ……(o^-^)


2014-09-01

お稽古_④ がんこなやつめ(--#)

さて。
例によって土曜日は9時から稽古でした。今回は、あらかじめ「『9時から稽古』と言えば、9時になる前には足袋も履き替えて、『いつでもお稽古できます!』ってかっこうになってな、アカンで!」と伝えていたので、それはクリア。

お稽古を始める前にご挨拶。そして、舞台に上がって体操をします(リラクゼーションもあるし、声も出やすくなる?)そして、発声にあたって呼吸法の練習を今回は加味してやってみました。

そして、今日の目標をまず、伝えます。
  • 前回までは、言葉を短く区切って(短いセンテンス)繰り返していたけれども、今日からは長めに(たとえばパラグラフごとに)区切って言います。
  • 大きな声で、元気よく、耳で聞いたとおりに繰り返します。
  • 背筋をシャキンと伸ばして!
あわよくば、覚えてるなら、覚えた内容を言わせてみようと思いましたけれども、たぶんまだセリフを交互に言い合い、対話劇となる事を十分に理解してないようです^^; 
さてどうしたものでしょうかね。時間を掛けるべきなのでしょうか。だんだんと、特徴的な言葉は分かってきてるみたいなんですが……。

一通り済んで、「もう一度初めから!」「今、注意した事に気をつけて、もう一度!!」となると、途端にやる気をなくしました。

今、注意した事に気をつけて、もう一度!」という稽古は、僕も子どもの頃から師匠に散々(笑)させられたことでして、「あぁ〜、やっと終わった!!」と、思ってホッとした途端もう一度初めからやり直し……(>_<。。。 という稽古がほとんどでした。
しかも、1回目で注意された事が直ってないと、ものすっっっごく、怒られる…というね。
お茶のお稽古みたいに「割稽古」というのがないので、初めから最後まで必ず通しでやります。
そんなわけで集中力と記憶力、忍耐力が肝心になってきます。
☞それが故に、早く定着させる事ができるんでしょうか……^^; 

それを培う(?)ためにも、同じようにやっているわけですが……。
我が息子殿は、ムスッとむくれてしまい、全然声を出さない。頑として拒否の姿勢。しまいには泣き出す始末(-。-;) 
よくよく理由を聞くと、
あしが、いたいんだっっっ!!(泣)
どうも、痺れて座っているのが辛かったみたい……(なんじゃそりゃ^^;  )
足を伸ばして、痺れが取れてから、じゃ、もう一回やるよ!とやったらば、こんどはまぁ、何とかやる気を出してやりました。
早く言葉を覚えてしまったら、次は立ち稽古になっていくから、座らないし足は痺れないゾ。と、教えましたが……はてさて(-。-;)

そして、トークン。
今回は5回目のスペシャルなシールが貼られる予定でしたが、ペナルティとして、今回はいつも通りの小さなシールにしました。

……難儀なこっちゃ(;^_^A