2015-07-09

花子のバックボーンのこととか、諸々のこととか(長いです)

「解説・あらすじ」を書く事(様々な文献にあたり、いろいろと勉強すること)が、演目の趣向についての理解を深め、自らの芸の向上にも繋がるのだ。
と、いう趣旨の我が師の教えに従っておりますが……。
目下、第9回「狂言を楽しむ 徳讃会」のチラシにあらすじなどを盛り込むために、原稿を作っています。どうやら泥沼のようなものに、まんまと足を踏み入れてしまった気がしますorz

狂言「花子」は、能「班女」の“後日譚”という位置づけもできるそうで、必然的に「班女」についても調べていくことになります。

ところで、あらかじめ断っておきますが、学術論文などは“孫引き”、“ひ孫引き”は禁忌なんです(原典にあたるのが普通)が、あくまでも【ブログ】なので、その辺は緩くしてます。どうぞ御寛恕下さい。ごく簡単にかいつまんでピックアップするような感じになります。
もし御興味をお持ちになれば、専門書、学術書、論文はあまた出版されているようですので、ぜひそちらを御参照下さい。
…と、言い訳を書いたところで、本題に入ろうかと。


以下、能「班女」に関してザックリとwebサイトや能楽に関する事典で調べたところで、だいたいのところに共通して書かれていて、個人的に印象に残ったキーワードなどをピックアップしてみたいと思います。
  • 「班女」という呼称は、中国の皇帝が寵愛した女官の名前にちなむ
  • 「美濃国野上の宿」とは、この辺☟:岐阜県関ヶ原郡不破町野上(ぜひ、“拡大地図を表示”で!)


コレらを踏まえて!
☞能「班女」のあらすじ・みどころ、狂言方(アイ)の役どころなどは、リンク先を御参照いただきたく。(何だかエエ話です 笑)

個人的な話で恐縮ですが、僕は岐阜の大垣市生まれなので、学校が休みになると上の地図の東海道本線を使って、あるいは我が師の運転する自動車で、関ヶ原ICで降りて、国道21号線を通って大垣に帰っていたのでした。(地図の右方に「垂井」の地名が見えますが、大垣はその次の駅ですだよ。)
なんと、図らずも野上の宿の近辺をずーっと通っていたわけですねぇ!!Σ( ̄□ ̄;)
☞花子さんに、俄然、親近感がわいてきましたよ!(爆)

野上宿は、関ヶ原宿垂井宿間の宿であったようです(wikiには載ってませんでしたが。)こちらのサイト“野上の七つ井戸”の記述のあたり)に拠れば、更級日記にも「野上宿」について言及しているところがあるそうで、遊女もいる賑やかな場所であったみたいです。
前段で、国道21号線を通って…と述べましたけれども、実は当時の街道(中山道)は国道21号線の一筋北側の道です。ストリートビューで見ていただいたらわかりますが、道の両脇に松並木が残っていたりします。

このあたり、「桃配山」といいますが、由来は壬申の乱にさかのぼりますΣ( ̄。 ̄ノ)ノ。
関ヶ原の合戦では、徳川家康が最初に陣を敷いたところです。

実は、旧街道の「中山道」を見つけるまでに、国道21号線沿いをストリートビューでやみくもに「野上宿」の痕跡(石碑とか、案内板)でもないか、行ったり来たりしていたんです。

で。こんな看板をば見つけました。
もちろん、「桃配山」検索してみましたよ!(何故って、そう書いてあるから。)
“歴史を知る、感じるパワー「ビクトリースポット」”
……ナゾの惹句です。
おそらくは、大海人皇子が勝利して、徳川家康がそれにあやかって陣を敷き、西軍に勝利して……。ハハァ、ナルホド。そういうvictoryか。という事に気付くのに、けっこうな時間が掛かりました。

あれ?えーっと、なに調べてたんだっけ?
と、ふと我に返り…再び膝を打った次第です。調べ物の本旨から「どんどん脱線させていく」という、「調べ物ピットフォール」にスポッとハマる……。(スポットだけに。)
☞いや、それでは「ビクトリー」どころか、むしろ敗北感しか漂ってこない。

………えー。そんなショーモナイ事を考えておりますと、夜はどんどん更けていくのでございます。

閑話休題。
やみくもに、国道21号沿いをストリートビューで見ていたときに、「古地図はどうだろう?」とヒラメキまして、調べてみました。
なんと、国土地理院がですね「古地図コレクション(古地図資料閲覧サービス)」なるものを公開しております。
「国図」の57番目「美濃国図」を見ようとしたんですが、どうやらこれは高解像度では閲覧できないようです。

半ば諦めた頃、伊能忠敬ならば網羅してるかも!と思い、「伊能中図」の「中部近畿」を閲覧しますと……。
伊能中図(中部近畿)データ」(国土地理院) をもとに拡大/トリミングを行い作成
「不破郡」「野上村」の文字があります。

狂言「花子」では、東国から都へ戻った「吉田の何某」の動向を聞いた花子が上洛してきて、北白川に宿をとり、恋慕の手紙をたびたび送ってくる……という所から、物語は始まるわけですが、そこに至るまでは、かくのごとくの裏事情があったわけですね。

あとね、実は「花子専用の扇」がありましてね。その図柄のあたりも調べたんですが、もうこの回では止めておきます。また、気が向いたら何か書くかも知れません。
そうそう!第9回徳讃会のチラシには、我が家の「花子専用の扇」の写真をあしらう予定にしています(笑)それも、お楽しみに!!

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