先日来、独特の調子がどーの、こーの。と書いておりますが、その一部をちょっと書いてみます。
狂言特有の言い回しと「キツネ語」(便宜上、こう呼ぶことにします。)が、チョイチョイでてくるわけです。
標題の「きっとぅんね」(無理矢理文字表記してみましたが)という音が聞こえた時は、「きつね」と言っています。これはまぁ、釣狐に限らず他の狂言でもそういいます。
次に、前の語が「ん」で終わり、次の語の初めの音が「母音」だった場合、「な」とか、「に」に変化します。例えば「承引致す(しょういんいたす)」が「しょういんにたす」と変化します。ちょっとこういうのは判じにくいかも知れませんが、大蔵流狂言の中では良くある言い回しですね。
さて。キツネ語。
調べると、鷺流という一派では釣狐を「こんくゎい」と言ったそうですが、字を当てると「吼噦」。キツネそのものを指すこともあるし、その啼き声でもあると。
この「噦(くゎい)」という語(音)がキーワードでもあります。例えば「執心の深い」を「執心のふくゎい」と、まるで啼き声のように発語します。
あるいは、妙に甲高い音であったり、語尾を伸長させたり、巻き舌のように発語したり……。
その全てが、人間に化けた狐の表現として用いられます。
今日は、ちょっと鑑賞の手引きにもなるように記してみました。
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