さてさて。
月曜は、小稽古でした。
ところで、突然ですが。
どのようにして舞台上での自分の立っている位置を把握していると思われます?勘の良い方、ご存知の方(ご経験のある方)には至極当たり前の事なのでしょうけれども。
実は、シテ柱、目付柱、ワキ柱(大臣柱)、笛柱といった4本の太い柱や階(きざはし)の位置、一の松、二の松、三の松などを指標にして自分の立っている位置を把握しています。
舞台の上に、絶縁テープのような物で「×」印をつけて「ここ!」……なんてことはできませんので、変な話、舞台に付いている微かな傷や色の違いとか、木目とか、板の枚数、鏡板の松の枝なんかも目標にしています。(これは僕個人的なことなので、他の能楽師の方がどうなのかは分かりません。)
もっとも、これはあくまでも「目安」なので、その目印をじっくりと見据えて……なんてことはありません。横目で確認しながら、だいたいこの辺かなぁ……。と思っている感じです。
息子殿に「靱猿」を教えたときは、東京での舞台も控えていましたので、面(おもて)を着けた状態で、どのように自分の位置を把握するのか。を教えることに腐心しました。
と、いうのも。ホームの善竹能舞台に特徴的な指標を元に動くことを教えても、アウェイである東京の観世能楽堂のお舞台では、勝手が違って混乱すると思ったからです。
大変やりにくかったのですが、一応は普遍的な舞台構造を基準にして相対的に動く方法を教えたのでした。
今回、いろいろと考えてみたのですが、今のところ息子殿はよそのお舞台で立つ予定もないので、
- ホームの善竹能舞台で特徴的な指標を元に動くことを教えても良いのではないか。
と思い至りました。
- 一先ず、絶対的な?(善竹能舞台に特徴的な)指標を元に舞台の感覚を培って、段階的に発展させていく方向でもよいのではないか。
もちろん…シテ柱とワキ柱を結ぶ仮想の直線(対角線)上で、相手役と向かい合う。というような説明(もっとかみ砕いてますけども?笑)は加えています。
そんな感じで視空間認知能力を鍛えて参りましょう。
今回は、いろいろと動く型もあるので、太郎冠者の“ホームポジション”(仮称)に都度、戻って来ることができることが、1つのポイントではないか思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿
まいど!コメント、待ってます!!
(承認制になっていますので、反映には時間がかかる場合があります。)